ぼくたちは習慣で、できている

要約

才能は与えられるものではなく、努力を続けた後に「作られるもの」
その努力は、習慣にしてしまえば、歯をくしばることなく継続できる
その習慣は学べるものである

才能や努力は限られた人にしかできないものではなく、工夫次第で身につけられるものである。

本書の構成は次のとおり

  1. 意思力は、生まれつき決まってる?
  2. 習慣とは何か?
  3. 習慣を身につけるための50のステップ
  4. 僕たちは習慣で、できている

第1章「意思力は、生まれつき決まってる?」のまとめ

人には双極割引という性質がある。
目の前の報酬ほど大きく感じ、将来にある報酬や罰則は少なく見積もってしまう、というもの。
このために、好ましい習慣を身につけるのが難しい。
狩猟生活に適した仕組みではあったが、社会のルールが変わった現代においてはやっかいなもの。

マシュマロ・テストという有名な実験がある。
目の前のマシュマロを食べずに、20分待って2個のマシュマロを得た子供は、成人後、成績や人望に至るまであらゆる能力が高かった。

意思力は使うと減るというものではない。
使わなければ回復するというものではない。
ラーメンを食べたらポテチも食べてしまいダメおしのアイスまで食べてしまう。

意思力は感情に左右される
不安や自己否定感によって失われる。

やらないことで減る意思力もある
ジムに行けなかったときに不健康な食品に手を出してしまう
午前中ダラダラしている人は午後もずっとダラダラ過ごしてしまう
意思力を消耗させるマイナスの感情が「自己否定感」や「不安」だ。

一方で、意思力が必要な行動を取っても、自己肯定感を感じていれば意思力は減らない
喜びの感情は意思力を回復させる
楽しい気分ならマシュマロも待てる

人の脳には2つのシステムがある
感情的なホットなシステムと理性的なクールなシステムである。

不安を感じたり、ネガティブな感情を感じると、本能的なホットシステムが活性化する

マシュマロのことを考えながら待つように指示された子供たちは、短い時間しか待てなかった
一方、目の前から本物のマシュマロを取り去っただけで、子供たちはより長く待てるようになった

マシュマロを我慢するためには、そもそも誘惑されなければいい。
そのためには目の前の現実をどう捉えるかというクールシステムの「認知」の力が役に立つ。
この認知はコツを教えることで実践できるようになった。それは後から学べるスキルだということだ。

  • マシュマロを「丸くふっくらした雲」だと思うようにアドバイスすると2倍待つことができた
  • マシュマロを「本物ではない」と思うようにアドバイスすると平均18分待てるようになった


鍛えられるのは意思力ではなく、この認知力
意思力が強いと思われていた人は、誘惑に抵抗している時間がそもそも短かったということ

意思決定はコイントスのように不合理であり、
マシュマロを待てなかったのは、単にコインを投げる回数が多かったせいだ。
すると対策はコインを投げない=意識を呼び戻さないことになる

感想

習慣の実行で得られる報酬は、自己肯定感である。
それ以上は求めすぎないようにしたい。何かしら目に見える成果は、ついてきたらもうけもの。

なぜ自己肯定感が大切なのか。それは意志力を保つため。
不安や自己否定感が生まれると意志力が落ちる。
意志力が落ちてホットシステムが活性化すると、目の前の欲求を満たそうとしてしまう。
結果、身につけたい習慣が身につかなくなる。

不安とか努力とかネガティブな感情は持たなくて良い。
習慣を身につけるために、苦しむ必要はない。むしろ苦しんではいけない。

こんな自分でも意思力をコントロールできそうな勇気が湧いてきた。
そもそも意志力に必要なのは忍耐でない。「認知力」の使い方しだいで、習慣を身につけることができそうに思えてきた。

才能が無いという諦めはやめよう。
今からでも遅くはない。今が人生で一番若い日なのだから。